2011年12月28日水曜日

たかがオーケストレーション。されど

指揮者は指揮をしてオーケストラの前に立っているときよりも、指揮をしている時間を棒にふらないための勉強の時間がずっとなが〜〜いのです。来年の東京ニューシティ管弦楽団のニューイヤーコンサートで演奏をする「ワラキアからの響き」というヨハン・シュトラウス二世がブカレストで1848-9年に作曲したワルツ。最初「楽譜は手に入るでしょう」というウワサだったのが八方手を尽くしても見つからず、日本ヨハン・シュトラウス協会会長の秋谷寿一氏のご厚意でやっと入手出来たピアノ譜を元にオーケストレーションすることに・・。そういえば今までヨハン・シュトラウスらしいオーケストレーションなんていうことを考えながら譜読みしたことがなかったのに、シュトラウスのワルツ集を片手に首っ引きでオーケストレーション。傾向を分析しながら編曲をすると確かに「らしい」響きがします。意外と勉強になりました。というわけで来年の1/7、北とぴあでおこなわれるニューイヤーコンサート、日本初演となるこの曲を含めステキな曲満載です。御来場お待ちしています。

2011年11月14日月曜日

チャイコフスキー

チャイコフスキーは、きっと一生定期的にお付き合いをする作曲家だとおもいます。今日も「悲愴」の練習。おもえば高校生からのあこがれの曲を日本を代表するオーケストラを指揮して演奏できるなんてこんな幸せなことはない。
スコアを開いて今一度丁寧に読み進めます。でも時々スコアの持っている圧倒的なチカラに負けてしまう。体調の悪いときはあまり対峙したくないスコア。でもつくづく素晴らしい作品と思います。短い時間で要点が伝えられる様に、最初に出会ったときの昂奮を忘れずに、基本に忠実に。リハーサルに向けて。

2011年10月28日金曜日

ベートーヴェン


昨日、今日と久しぶりにベートーヴェンの第七交響曲とお付き合い。思えば高校生の時はじめてオーケストラの中で弾いてからのなが〜〜いお付き合いだけど、読めば読むほど内容の濃さに驚かされる濃密な作品。巨匠のスコアのチカラに負けない様にがんばろっと。

2011年10月10日月曜日

思い出と明日のために


明日は小山実稚恵さんとのコンサートの為に練習があるので、今一度スコアをチェック。
チャイコフスキーの協奏曲もラフマニノフの協奏曲の第二番もグリンカも何回も演奏してきたレパートリーだけど、今一度丁寧にページをめくります。
音楽は聴く人にとっても演奏する人にとっても、聞き返す、読み返すことによってその曲への感情とか、思い出が浮かび上がってくる二次的な体験があります。
私にとってはスコアをめくる作業は、過去に演奏されていた舞台を思い出すことでもあるのです。演奏して居たピアニストのこととか(良く指先を思い出す)、ステージの照明の感じ、お客さんの反応とかめくるページによってはもの凄く鮮明な感覚が蘇ってきます。
さあ、明日の小山さんとの練習が楽しみです!

2011年10月8日土曜日

マーラー「復活」


夜中の3時頃に喉の激痛で目がさめた!初めての経験。おもえば名古屋からずっとこの痛みがくすぶっていた様な気がします。生姜湯飲んだり、プロポリスや喉の消炎剤ぶちまけて、少たし痛みを治めて寝ました。んでまた起きてみたら声が出ない。生姜の絞り汁+シークワーサー+蜂蜜+プロポリスのお湯割りという特製ドリンクを作って飲んだら、なんとか声が出る様になりました。
でも異様に低い声。試しに最低音が何処まで出せるのか試してみたら、ヘ音記号で下線が四つ附いたFの音まで出ることが判明。今までの人生で生声の最低音。今ならマーラーの「復活」の合唱の出だしのバスパートが楽々歌えるにちがいない!録音して、シーケンサーに入れられる様にしておこうかな、、。

2011年10月7日金曜日

指揮者にとってのスコア


拙宅の書架にはスコアが溢れています。そのなかにはおおよそ一生のウチに演奏することがないであろう、スコアも多いのです。その中の一群には学生時代に東欧諸国で買い集めたスコア達がります。冷戦時代の東欧諸国のスコアの出版はナショナリズムを反映されていて、それぞれの国のお国物、たとえばチェコならドヴォルザーク、ハンガリーならバルトーク、リストといった作曲家の気合いが入った校訂をしたスコアが出版されていました。おおむね西側のお金に換算すると安いので、旅行で行った先々で買い集めたりしたものです。とある作曲家のある作品を演奏する為には、同じ作曲家によるなるべく多くの作品を知る必要があり、その上でもスコアを買い集めてあったのです。今ではIMSLPなんていう便利なサイトもありますが・・。
 ところでこの東欧の出版物、いざ演奏に使おうとすると紙の質が悪い(すぐボロボロになる)製本が劣悪(すぐバラバラになる)印刷が粗雑(インクの薄いページがある)裁断がしっかりしていない(違うページ同士が切り離されていない)、などという共通した特徴(??)があり、そのまま指揮につかおうものならすぐ、満身創痍になってしまいます。
 とはいえ、おおよそ演奏する事がないだろうと思っていた曲が、書架から引っ張りだされて初めて演奏される機会を持つ、というのはなかなか感動的なこと。
 ドヴォルザークは私のお気に入りの作曲家の一人。日本ではほんの一部の曲しか演奏されていないけれど、演奏の機会の持てない名曲が多いのです。もっと書架に埋もれている曲で演奏したい曲は沢山あります。この実直な第五交響曲。木訥な書法をどのようにきらびやかに演奏するか、思案しています。

2011年10月5日水曜日

天国と地獄


 オッフェンバックの代表作として名前は知られているけれど、案外カンカン踊りくらいしか一般的に知られていないであろう、この「天国の地獄」というオペレッタ。
 今回の名古屋二期会での上演は、私にとっては未知の四幕版での上演だったので、スコアを入手するとともに興味津々で譜読み。グランドオペラとオペラコミックの違いは分かって頭では居たはずだったけれど、二幕版から四幕版へのトランスフォームが、グランドオペラ化への補筆の賜物であって、スタイルの違いを教えてくれました。
 ひとつ今まで誤解していたのは、個人的に音楽史上のメロディーメーカーチャンピオンはヨハン・シュトラウスII世だと思っていたのですが、今回理解したのはシュトラウスはどう考えてもオペレッタを書くにあたり、オッフェンバックの音楽を精査していたであろうということ。このオペレッタ「ギャロップ」など、シュトラウスのバッチをつけて、ポルカ・シュネルと名付ければそのまま信じてしまうのではないでしょうか?
 「天国と地獄」のもう一つ音楽的に面白いところは、グルックの「オルフェオとエウリディーチェ」を徹底的にこき下ろし、また社会的な風刺も含まれているということ。
 過去の音楽が19世紀的な価値観の中でどの様に捕らえられていたかという、一つの視線を教えてくれます。歌劇の中では「純音楽」以上に時代が息づいて居る様な気がします。
 作品の中に並べられたナンバーを、当時のパリの観客がどのような音楽を期待していたのか、何を見たかったのかということを如実に物語っています。
 特に日本では先入観でかる〜〜く見られているこのオペレッタ、天才の余りある生気が溢れています。判っている人には判るんだろうけれど、このタイトルを眉をしかめて聞いちゃう人もいるのはちょっと残念に思います。
 それにしても今回のプロダクション、たかべしげこさんの演出もぴりっとスパイスが聞いていて面白いし、出演者全員のやるきが感じられてとても良い「気」がみなぎっていました。
 舞台袖でみんながもうワクワクしているのがわかるんです。
 ブッファをやるときはセリアをやるとき以上に神経を使います。人を笑わせることの方が人に涙ぐんで貰う事より難しいとおもうのです。台詞から音楽に移るタイミング、そして各ナンバー間のバランスなど、微妙なさじ加減も大切。
 それにしても装置と衣装には感動したなあ。絶対観客席から見えていないだろうな〜〜?というところまで造り込まれていて、照明も含めて細かいところでプロの技が光っていました。
 最後になりましたが、オーケストラの皆さん、ほんとーに助けていただきましてありがとうございました!努めてカリカリの音楽を作ったのですが、皆さんの歯切れのよい演奏無くしてはこのプロダクションは無かったと思うのです。素晴らしかったです!!!m(__)m

 さてさて、今日から改めてこの先の作品を読み始めます。

2011年9月30日金曜日

お参り

熱田神宮に参拝。公演の無事と成功を祈ってきました。実は日本各所の神社仏閣を訪ねるのは好き。古来から有る聖地とその建物、文化財は私達が誇るべき文化を持った民族であることを教えてくれると同時に、古代舞台芸術についても教えてくれる。残念ながら空襲で焼けてしまった熱田神宮。でも草薙の剣がここには有る。

2011年9月28日水曜日

「天国と地獄」いよいよ大詰め

いよいよ、名古屋二期会、「天国と地獄」公演オーケストラ練習が始まりました!
熱気といい迫力といい、大爆笑間違いなし??の公演。10月1日17:30- 10月2日 14:00- 愛知県芸術劇場大ホールです。

2011年9月5日月曜日

新しい音楽の誕生

 今日は東京文化会館で佐藤絵理さんが書いた新曲「瑠璃船」の初演。
 三月にあるはずだった初演が震災で半年延びました。
 指揮者人生のなかで結構様々な新曲初演を行ってきましたが、最近は自分の曲を演奏する事が多く、久しぶりに新しいスコアを演奏します。
 いつでも新たな曲が披露される瞬間というのは期待と緊張を伴います。ベストの演奏が出来る様にスコアをチェック中。
 新曲と言えば、今年は自分で良く曲を書いた年でもあります。一番の最新作はリオ・デ・ジャネイロのチェロフェスティバルで初演されたフルートとチェロ8本の為の「さくら」変奏曲(クリックすれば動画がみれます)。自分で落とし前をつけない(初演の場に居合わせない)新曲初演も多くなってきました。
この動画、途中でとんでもなく音程が悪いところがありますが、そこは通常のフルートではなく篠笛を使っています。「ゴメン・篠笛のチューニング忘れた・・」っていうフルーティストのコメント付き・・こら〜〜〜!ちゃんとしてくれ

2011年7月11日月曜日

舞台に立つこと

今年もロンドリーナで気がつけば音楽祭のまっただ中。思えば今年の前半は色々な出来事で色々な方に色々な事を教えて頂いているような気がします。昨日と一昨日は音楽祭の開幕コンサート(オペラガラ)。
 ブラジルの伝説的な女性歌手で沢山の生徒を育てたネイジェ・トーマス先生を表彰し、その横で長年連れ添って、舞台に生きてきた85歳のバリトン、リオ・ノヴェッロさんがブラジルの作曲家、カルロス・ゴメスの歌劇「コロンボ」の中の感動的なアリア「それは黄金の夕日だった」を目に涙を浮かべながら歌う。
一つ一つの言葉に感情が込められた歌声と、その姿で舞台に立つことの意味を教えてくれた本当に感動的な瞬間だった。

2011年6月27日月曜日

"KIBOU"音楽プロジェクト コンサート 御礼と色々な想い


 思えば三ヶ月前、余震が続き、計画停電が始まり、夜の街から人の姿が減り、閉塞感漂う中で書いた管弦楽曲"Kibou"。その後世界の色々な場所で演奏されてきましたが、土曜日(6月25日)のコンサートで覚和歌子さんの詩がサプライズゲストとしてご出演頂いた、島谷ひとみさんの歌声に乗って、新たな命をリネーム"KIBOW"としてもらった様な気がします。
(島谷ひとみさん、毎度毎度ご無理を申して本当に申し訳ありません!)
 二ヶ月前にこのコンサートを実行委員会の皆様と一緒に立ち上げ、無理難題を言う曽我大介をフォローして一生懸命運営に携わってくださった皆様に感謝です。もう今回は会場手配、チケット販売、寄付募集、会場の整理まできっちりこなして頂ける素晴らしいスタッフに恵まれ本当に皆様の働きに頭が下がると同時に、その素晴らしい仕事ぶりは驚愕の連続でした。直前のお願いにもかかわらず、快く録音をお引き受けくださった鈴木正昭さん、ありがとうございました。
 コンサートの目標にしていたのは明日の日本を元気にする!
 先陣を切って頂き演奏して頂いた二人の若いヴァイオリニストのヴィヴァルディ(会田莉凡さん、川又明日香さん)から志野文音さんのギターの小宇宙、そして圧巻のマリンバ岩見玲奈さん(難しいこと書いてごめんなさい)、弾ける様な瑞々しいピアノの奧村友美さんのモーツァルト、と若くて素晴らしいアーティスト達に会場が暖まり、最後の島谷ひとみさんに無理を承知で歌って頂いたアンコール、「手のひらを太陽に」でこの目標は果たせたとおもいます。
 しっとりとした歌声で会場を泣かせた一音入魂合唱団の皆さん、そして名曲「ふるさと」をすばらしい歌声彩ってくださった浪川佳代さん(給湯室での合唱指導ありがとうございました)、そして素晴らしい才能をもった指揮者、佐々木新平くん、一緒に弾いてくださった東京芸術大学現役生の佐藤まり子さん、成田七海さん、秋月沙奈美さん。そして今回もお付き合いくださった日本IBM管弦楽団の皆さん、全ての皆様に感謝致しています。
 普段は微力な指揮者として自分は何が出来るのか、常に問いかけながら毎日を生きていますが、多くの皆様のご協力があり、想いが重なれば素晴らしい事が出来るのだという事を実感しました。「オーケストラの音楽のエネルギーは電力に換算すれば電球一つを灯すにも足りない、しかし70人の人が力を合わせるから心が震えるのだ」とは故、朝比奈隆マエストロの言。
 この言葉を今、実感しています。
 最後にこんなとんでもない我が儘を実現するために100%ご協力くださったHakujuHallの皆様、本当にありがとうございました。そして、なによりも御来場頂き暖かい拍手を戴いた皆様本当に本当にありがとうございました。
 当日の御来場は279名様、22万円を超える会場募金があり、コンサートの収益、事前募金を含む支援に充てる額は目標を大きく超えています(後日会計報告させて頂きます)。支援先は石巻近郊のの小中学校になります。
 このKibou プロジェクト、まだまだ続きます!次回は7/2、14:00からオーチャドホールにてニュースサービス日経チャリティコンサートがあります。此方の方の御来場もお待ちしています。
 またコンサート直後にはブラジルに渡り、第31回ロンドリーナ音楽祭でもこのKIBOUは演奏される予定です。
 最後に出演された皆様にお願いです。曽我大介、忙しすぎて当日のパパラッチ活動までは手が回りませんでした、どうかweb上に画像を色々アップしてください!m(__)m


2011年4月20日水曜日

その後の"Kibou"Project.


その後の"Kibou" Music Project ですが、以外に(?)広がりを見せてくれています。
ヨーロッパでは今週は24日の復活祭を前にしての受難の週。
明日(洗足)木曜日には ルーマニア・ブラショフフィル が「日本と共に」と題して
曽我大介:"Kibou"
モーツァルト:フリーメイソンの為の葬送音楽 ラフマニノフ:「死の島」
リムスキー=コルサコフ:「ロシアの復活祭」序曲 というプログラムを演奏(ちなみに"Kibou"以外はもともと震災が起きる前から予定されていたプログラム。
また、日曜日は浜松市民オーケストラとやっと自分の指揮で"Kibou"の日本初演を行います。
26日はブラジリアのオーケストラがコンサートで"Kibou"を演奏。
復活祭を前に、復活祭を期に、このプロジェクトだけではなく様々なオーケストラ・アーチストが追悼・支援のコンサートを行ってくれています。
そう。もう春。復活祭。現実と将来を見つめて未来を歩だそう。
"Kibou"プロジェクトも新たな展開を目指して頑張っています。
本当の希望となれるように。

2011年4月10日日曜日

Skypeでコンサート出演

"Kibou" がたった今、Immaculata Symphonyによってアメリカで演奏された(指揮:Ovidiu Marinescu.
コンサートのスタッフにより、スカイプ経由でコンサートホールとわが書斎がつなげられ、コンサートの会場に向かってメッセージを生でしゃべるという希有な体験(不思議な体験?)。
残念ながら会場の音は途切れ途切れにしか聞こえなくて、観客のメッセージに対する反応がビデオ画像でしか判らなかったのが残念だけれど、終わった後の沢山の拍手を見て取ることが出来た。
指揮者のマリネスクはルーマニア音楽院時代の同級生。彼をソリストとしてドヴォルザークのチェロ協奏曲を一緒に演奏したこともある。振り返れば20年の歳月が流れている。
 オーケストラの譜面をネットで配信、コンサートにネットで出演するなんていうことが可能だなんてその頃には考えても見なかったこと。
 でもテクノロジーも人間のつながりがあってこそ、人の心のつながりがあってこそ役に立つのだな、ということを実感した一瞬だった。
 感激!



2011年4月4日月曜日

スーパー?地震対策


我が家で地震対策をしていなかったのは実は我が書斎で、棚が倒れたり、壊れたり、CDが落ちまくったりしました。
CDの割れたケースを取り替えたり(自重のせいかダブルケースに被害が多い)作曲家順に棚に戻していると、一つ一つのCDの思い出が蘇ってきます。特に学生時代に買ったものは思い出深い、、。また意外なカップリングのCDを発見したり新鮮な驚きさえありました。。
壊れた棚の代替品を注文して、出来上がって来たのを機にまず、CDとDVD,書架の効率を上げるための大整理をしました。もはや我が家のCDは一生かかっても聴ききれない数に達しているので、それが効率よく整理されるように。
そして耐震対策、まず棚が倒れて来ないようにした上で スーパー・ハイテクノロジー・アンチ・アースクウェイクシステムを導入。人呼んで「ゴムひも」。100円ショップの物で出来る簡単かつ最も効率の良い耐震対策・・

2011年3月26日土曜日

"Kibou"音楽プロジェクト スタート

震災から二週間、昨夜、ブカレストでルーマニア放送交響楽団、指揮:王進により、新作管弦楽レクイエム"Kibou"が初演されました。
思えば自作の初演に立ち会わないのは初めてのこと。ドキドキ。
しかし、ウィーンで一緒に勉強した仲間がなじみのオーケストラと一緒に演奏してくれる。
こんな嬉しいことはない!
演奏が終わり、観客は総立ちで日本への気持ちを示してくれたそう。
海外から日本を思い、日本を応援してくれている仲間が沢山います。
この先震災応援キャンペーンととともにこの曲はブラジル、アメリカと世界を回ります。

2011年3月25日金曜日

"Kibou"音楽プロジェクト


 東日本大震災の被災者の皆様、心からお見舞い申し上げます。
 私がコンサート等でなじみの有る土地が被災地としてニュースに上がると心が本当に痛みます。
 この震災の影響によりコンサートの延期が相次いでおり、私が関係しておりました東京ニューシティ管弦楽団の定期演奏会、全日本医家管弦楽団の演奏会等も相次いで延期になり、楽しみにしていた皆様にご迷惑をおかけし、申し訳ありません。
 私自身としては少しは震災の役に立ちたいと思えど、被災地に行って「ボランティア迷惑」になるわけにも行かず、歯がゆい思いをしておりましたが、先週末から海外の仲間達と「Kibou」プロジェクトを始めました。
 先週末ほぼ、2日半で5分間のオーケストラの為の新作、震災犠牲者のためのレクイエム「Kibou」を書き上げ海外の仲間達に演奏をしてもらい、震災支援のキャンペーンを各地で広げて貰う事にしました。
 早くも初演が今日、3月25日 ルーマニア・ブカレストでルーマニア国立放送交響楽団交響楽団、指揮はウィーンで一緒に勉強した仲間、中国人の王進によって行われる事になりました。
 今後各地での演奏が予定され、この曲は一年後を目処に合唱付きのレクイエムへの改作を予定しています。
 海外からも本当に日本の事を心配し、日本の為に何かしようとしている仲間達が沢山いるのです!
 ルーマニア放送交響楽団のヴァイオリニスト、Dana Aparuさんからのメッセージを引用します。
"Today was our first rehearsal with your composition "Kibou". That's a wonderful gesture and a wonderful music. Tomorrow we'll play it in concert. I want to let you know my soul is next to Japanese people and I am honored I can play it. I suffer"



 

2011年3月10日木曜日

Brasov


今週は、ブカレストから北に180km。昔のハプスブルグの東端の街、ブラショフでコンサート。旧知の街、旧知のオーケストラ。でもあのリーマンショック以来、オーケストラは財政カットで大変。年金が発給される年齢も新しい法律で早まり、なじみのプレーヤたちも大分リタイアしてしまった。
でもみんなが昔の音を忘れないように、若いプレーヤーに色々な価値観を伝えながらオーケストラの音を造りあげています。
明日はロシアプログラムのコンサート。

2011年3月6日日曜日

エネスコ記念館


コンサートの翌日、電車の時間までを利用してエネスコ博物館・記念館を訪問。
ブカレストのエネスコ博物館はひさしぶり。
ショスタコービッチと写っている写真や許多の記録物を見て、作曲家と言うより音楽家としてのエネスク(ルーマニア語読み)のすごさと生きていた時代の息吹きに感動。
昔、シエナのキジアーナ音楽院に置いてあるエネスコの銅像をみて、国際人、教育家としてのエネスクに思いを馳せたっけ?

ルーマニア放送交響楽団


ルーマニア放送交響楽団とは久しぶりの共演。ブカレストでのコンサートは有っても、フィルハーモニーとばかり共演していました。知らない若い奏者も増え、世代交代も感じられましたが、週初めの練習から「アタリ」はばっちり。
コンサート(全国生放送)でも最初の曲、リストの交響詩「前奏曲」からオーケストラはノリノリでブリリアントなサウンドを奏でてくれました。ソリストも久しぶりの共演となる、ルーマニアのベテラン、クリスティーナ・アンゲレスク。こちらも素晴らしいブラームスの協奏曲の演奏。
休憩時間には放送局のスタジオでラジオの生放送のインタビューもこなし、後半のフランクのシンフォニーも出だしから良い感触。
ところが
なんとホールのスピーカーから大音響で全く関係のない音楽が流れ出しびっくり(@_@)
最初はトゥッティの大音響のところに重なってきたのでなんでこんな変な音がするのか??と思っていたのですが、静かなところでも、まるで音源のテストをしているように音が出たり途切れたり、、。
3分くらいはそんな状態が続いたでしょうか?
これって重大放送事故?!
オーケストラのメンバー曰く「こんな事故初めて!」普通有ったら困ります!!
でもこんなアクシデントにもかかわらず。集中力を途切れさせなかったオーケストラは素晴らしかったです。なかなかない第三楽章の名演になりました。
最後にオーケストラを何回促しても立とうとせず、みんなが拍手してくれたのはうれしかったな〜〜。
コンサートの翌日は快晴!快適な電車でブラショフまで移動してきました。





2011年2月28日月曜日

ブカレスト!

日曜日のお昼に成田から経ち、夜の八時過ぎにはブカレスト、、
オーストリア航空はブカレストに入るのにとても連絡が良い!
留学した当初に比べてこのあっけなさが信じられないくらい。
頭の中ではまだ「シング・シング・シング」が鳴っているのに土曜日のブラスジャンボリーがもはや夢のようではあります。
それにしてもブカレスト、最低気温がマイナス11度。さむ〜〜い。日中もほぼ0度くらい?
土曜日の横浜のあたたかさも信じられないくらい。
今日の練習は午後からなので午前中は知り合いに会ったり、フィルハーモニーを訪ねたり。
そろそろ「シング・シング・シング」を追い払って練習にむけて勉強しなくては!

2011年2月2日水曜日

はやもう2月


新宿文化センターでのアマデウス・ソサイエテイ管弦楽団&一音入魂合唱団との演奏会が終わった・・と思えば今年ももう2月。時が経つのが早い。
プロの演奏家として恥ずかしいことなのかもしれないけれど、昨日までお付き合いしていた音楽をかりっと切り替えて今日から別の音楽に、、という転換が不得意。表向きは切り替えたつもりでも、演奏していた曲は身体に残っています・・・
今日はNHK「あなたの街で夢コンサート」の収録@栃木県大田原市。あこがれのグッチ裕三さんと姿月あさとさんと共演。一昨日東フィルとの練習があって、とても素敵な本番になりそうな予感。

2011年1月26日水曜日

作曲


作曲というのは、私にとっては曲を考えながらふとしたことで浮かんだアイディアを忘れないで、技術をつかって結びつける作業の連続。
アイディアは今週のような体調絶不調の時も絶不調なりに浮かんで来るので、それを書き留めておくのが肝心。
やっと締め切りに間に合ったフルート協奏曲。
でも鼻はずるずる。咳は出る、、
週末のコンサートまでに治さなくては、、、

2011年1月23日日曜日

ニーノ・ロータ!!!


今年はニーノ・ロータ生誕100年ってご存じでした?
私はこのお仕事の話を戴くまで知りませんでした。
才気溢れる音楽、そして数々の映画音楽があり(150本!)。
過去に彼の作品をいくつか演奏をしたことがあるのですが、このNHKの番組を通してニーノ・ロータのとてつもない巨匠としての力を再認識!
共演されたメンバーも、もう素晴らしい!頭のてっぺんから手の先まで音楽家の様な方ばかり。
名テノール、アルベルト・クピードさん、塩谷哲さん、笹本玲奈さん、coba(アコーディオン)さん、マイア・バルー(vo.)さん、原朋直(tp.)さん、堀雅貴(マンドリン)さんと超豪華メンバー!
オーケストラは東京フィルハーモニー交響楽団
ほぼ10時間スタジオに居ましたが、出来は上々!!
是非放送をお楽しみ下さい!
ミュージック ガーデン
2011年1月30日(日) 20:00-20:59 NHK BS-Hi
2011年2月4日(金) 12:30-13:29 NHK BS-Hi
2011年2月6日(日) 14:00-14:59 NHK BS-Hi
2011年3月6日(日) 21:00-21:59 NHK BS-2