オッフェンバックの代表作として名前は知られているけれど、案外カンカン踊りくらいしか一般的に知られていないであろう、この「天国の地獄」というオペレッタ。
今回の名古屋二期会での上演は、私にとっては未知の四幕版での上演だったので、スコアを入手するとともに興味津々で譜読み。グランドオペラとオペラコミックの違いは分かって頭では居たはずだったけれど、二幕版から四幕版へのトランスフォームが、グランドオペラ化への補筆の賜物であって、スタイルの違いを教えてくれました。
ひとつ今まで誤解していたのは、個人的に音楽史上のメロディーメーカーチャンピオンはヨハン・シュトラウスII世だと思っていたのですが、今回理解したのはシュトラウスはどう考えてもオペレッタを書くにあたり、オッフェンバックの音楽を精査していたであろうということ。このオペレッタ「ギャロップ」など、シュトラウスのバッチをつけて、ポルカ・シュネルと名付ければそのまま信じてしまうのではないでしょうか?
「天国と地獄」のもう一つ音楽的に面白いところは、グルックの「オルフェオとエウリディーチェ」を徹底的にこき下ろし、また社会的な風刺も含まれているということ。
過去の音楽が19世紀的な価値観の中でどの様に捕らえられていたかという、一つの視線を教えてくれます。歌劇の中では「純音楽」以上に時代が息づいて居る様な気がします。
作品の中に並べられたナンバーを、当時のパリの観客がどのような音楽を期待していたのか、何を見たかったのかということを如実に物語っています。
特に日本では先入観でかる〜〜く見られているこのオペレッタ、天才の余りある生気が溢れています。判っている人には判るんだろうけれど、このタイトルを眉をしかめて聞いちゃう人もいるのはちょっと残念に思います。
それにしても今回のプロダクション、たかべしげこさんの演出もぴりっとスパイスが聞いていて面白いし、出演者全員のやるきが感じられてとても良い「気」がみなぎっていました。
それにしても今回のプロダクション、たかべしげこさんの演出もぴりっとスパイスが聞いていて面白いし、出演者全員のやるきが感じられてとても良い「気」がみなぎっていました。
舞台袖でみんながもうワクワクしているのがわかるんです。
ブッファをやるときはセリアをやるとき以上に神経を使います。人を笑わせることの方が人に涙ぐんで貰う事より難しいとおもうのです。台詞から音楽に移るタイミング、そして各ナンバー間のバランスなど、微妙なさじ加減も大切。
それにしても装置と衣装には感動したなあ。絶対観客席から見えていないだろうな〜〜?というところまで造り込まれていて、照明も含めて細かいところでプロの技が光っていました。
ブッファをやるときはセリアをやるとき以上に神経を使います。人を笑わせることの方が人に涙ぐんで貰う事より難しいとおもうのです。台詞から音楽に移るタイミング、そして各ナンバー間のバランスなど、微妙なさじ加減も大切。
それにしても装置と衣装には感動したなあ。絶対観客席から見えていないだろうな〜〜?というところまで造り込まれていて、照明も含めて細かいところでプロの技が光っていました。
最後になりましたが、オーケストラの皆さん、ほんとーに助けていただきましてありがとうございました!努めてカリカリの音楽を作ったのですが、皆さんの歯切れのよい演奏無くしてはこのプロダクションは無かったと思うのです。素晴らしかったです!!!m(__)m
さてさて、今日から改めてこの先の作品を読み始めます。
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