2010年12月12日日曜日

第九〜精神の宿る演奏

今朝、何の気なしに私も関わった、マエストロ・シノーポリ指揮/ドレスデン・シュターツカペレの10年前のDVDを流していた。
一楽章からステージに並ぶ合唱。日本での共演は亡くなった有名な合唱指揮者のSさんの名前を冠した合唱団。
開演を待つ間はまるで厳かな儀式のようだ。
やがて曲が始まる。オーケストラにはベートーヴェンに対する尊敬と畏怖が感じられる。
素晴らしい名手達。そこには魂が宿っている。
合唱にも長年この合唱を育て上げたSさんの思いがこもっている。
マエストロのテンポは必ずしも私の思うテンポではないけれど、そこには第九の精神が感じられる。
曲の解釈以前の問題。
こうあるべきか?こうでなくてはならない。
コンサートの瞬間。全ての精神がベートーヴェンの為に。
マエストロはこの曲を日本で数カ所、台湾などでも演奏したのはこの精神を各国の人々と分かち合うためだったのだ。
ソリストもわざわざアジア人を含めている。

そういえば、先日ブカレストでサン・サーンスのレクイエムを演奏したときも、キリスト教の精神感と言葉とハーモニーの相互関係について、
合唱練習で話した途端に、合唱の響きが全く別の次元になって魂が宿った音楽になったのを覚えている。

今日から今年は年末まで三回の第九。Muss es sein!





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